自源流の伝授体系は、天眞正自源流兵法の階級制度であり、溝口一重一心斎(1713〜1795)によって制定されました。この体系は、開祖瀬戸口備前守が制定した階級制度を整理し、五段階の傳位制度として確立されました。
傳位伝承体系
初段之位
初傳/准免許初目録
二段之位
中傳/准免許中目録
三段之位
奥伝/免許皆伝奥目録
四段之位
綜傳/免許皆傳綜目録
五段之位
無空/秘碌綜傳全目録
現在、この五段階の傳位伝承体系が確立されています。
また、天眞正自源流兵法の傳位階級は、古くから厳格に守られてきました。その証拠として、500年以上にわたり【三年間沈黙之掟】と呼ばれる掟が守られてきました。この掟によれば、傳位継承者は指名を受けてから三年間黙々と修行しなければなりません。修行期間を終えた者だけが、傳位継承の儀式に参加することが許されます。
なお、昭和39年に創立された初代浅草尚武舘武道場では、日本伝統の古武道として初めての段位称号制度が採用されました。現在も天眞正自源流兵法一門會に継承されており、段位は初段から八段までの八段階、称号は剣士、練士、教士、範士までの四段階です。
自源流兵法の段位
初段
基礎的な技術や理論を習得した初級の段位です。基本の形や基本的な攻撃・防御技術を習得します。
二段
初段を修得した上級者の段位で、より高度な技術や戦術を学びます。応用技や連続技、戦略的な立ち回りなどが含まれます。
三段
さらに高度な技術と知識を身につけた上級者の段位です。流派独自の奥義や秘伝など、高度な技術の習得が求められます。
四段
さらなる深化と洗練が求められる上級者の段位です。瞬時の判断力や高度な戦術の展開、流派独自の特殊な技術を習得します。
五段
段位制度において一つの到達点とされる段位です。流派の基本理念や哲学に通じ、高度な技術と心の成長を兼ね備えた者が達成します。
六段~八段
五段を超える高位の段位です。さらなる技術の研鑽や心の成長が求められ、流派内での指導者としての役割も担います。